レオノール・フィニ展

渋谷、bunkamuraミュージアムへ行ってきました。
およそ同時期の女性作家としてレオノーラ・キャリントンやレメディウス・バロといった人たちと並んでしょうされる事が多いのでしょうが、その中でも一番自己愛が強い印象を受けました。
キャリントンやバロの作品は、物語性やファンタジー性が強く画面も計算されており、見た後で夢見ごごちな気分に浸れるのですが、フィニに関しては終始不安定さや女性の生々しさを感じました。


彼女の作品は、どの時代も常に何物かに影響されています。
のぴは、太陽がないと輝けない月のようと言いましたが、はげしく同感。
ある絵はクリムトっぽかったり、ある絵はダリっぽかったり。この人自身の絵柄というものが最後までつかめませんでした。
デッサン力といった技巧的なものでごまかさずに、その時感じたもの・影響されたものを整理せずに、どろどろした女らしさとしてそのままカンバスに叩きつけた感じ。


そんな中でも好きだったのは鉱物時代と呼ばれる頃の絵でした。絵の具を無造作に置いた感じ、その中から直感的に形を切り出していく感じ。直感力のすぐれた作家さんだと思いました。何時間も見入っていたくなる作品です。
オンナゴコロを理解してみたい(ムダな)好奇心の強い殿方にオススメです。


実は、来月からのモロー展がとっても楽しみ。